4種類のノート(小学5年生以下が解く算数の良問)

4種類のノート(小学5年生以下が解く算数の良問)

ジュニア算数オリンピックファイナルに出たという問題について、その解法の解説と、問題を解くにあたっての着眼点を解説してみました。

4種類のノートの問題

ジュニア算数オリンピックファイナルの問題に次のような問題がありました。

A、B、C、Dの4種類のノートを何冊か買ったところ、代金は3805円になりました。
ノート1冊の値段は、Aは231円、Bは221円、Cは176円、Dは154円でした。
ノートをそれぞれ何冊買いましたか。

という問題です。


小学5年生以下が解くにはちょっと難しいかなという感じで、さすがジュニア算数オリンピックファイナルの問題かなと思いました。

まずは答えの検討をつける

まとめてみると次のようになります。

合計 3805円
A 231円
B 221円
C 176円
D 154円


一番安いノートDを買うと、3805÷154=24.7で24冊買えます。
一番高いノートAを買うと、3805÷231=16.5で16冊買えます。
つまり、A、B、C、Dの4種類のノートは、合計で16~24冊買ったことになります。


方程式なんかじゃ解けない

こういう問題を見た時に、すぐに方程式を立てて解こうとする人が結構います。
ノートA、B、C、Dを買った冊数をそれぞれ、a、b、c、dとすると、


231a+221b+176c+154d = 3805
a+b+c+d=16~24?


未知数がa、b、c、dと4つあり、式は2つしかないので、これでは求められないことがすぐにわかります。

ココが勘所

さて、231、221、176、154という数字を見ていて、勘の鋭い人は、もしかして11の倍数が多くないかなと気づきます。


11の倍数 = (1の位から奇数の位の数を足した合計)ー(偶数の位の数を足した合計)=11の倍数

という特徴があるという知識を知っていれば、231も176も154も、1+2-3=0、6+1-7=0、4+1-5=0で0となり、11の倍数となるので11の倍数、一方、221は、1+2-2=1となり11の倍数とならないので221は11の倍数でないと判断できます。


実際に、

A: 231=11×21
B: 221=11×20.09
C: 176=11×16
D: 154=11×14


となり、221を除く、231、176、154は、いずれも11の倍数ということがわかります。


231-154=77
176-154=22
と、それぞれのノートの単価の差が11の倍数から、もしかしたら各ノートの値段は、11の倍数になっているのではないかと気づく人もいるかもしれません。


すると、AとCとDの購入金額の合計は、個々のノートの値段が11の倍数だったので、当然11の倍数になります。


そして、
3805-(11の倍数になるA・C・Dのノートの購入額)=(ノートBの購入冊数)×221
となります。


そこで、全体の3805円からノートB(221円)を何冊か買った時の残りを表にします。
その残高が、11の倍数になるはずなので、残高が11の倍数になるノートBの購入冊数を探します。


ノートBの冊数 ノートBの合計金額 3805円からの残額
1 221 3584
2 442 3363
3 663 3142
4 884 2921
5 1105 2700
6 1326 2479
7 1547 2258
8 1768 2037
9 1989 1816
10 2210 1595
11 2431 1374
12 2652 1153
13 2873 932
14 3094 711
15 3315 490
16 3536 269
17 3757 48


まとめた表の結果は以上の通りですが、ここで残高が11の倍数かどうかは、先ほどの判断基準で見ていきます。

11の倍数 = (1の位から奇数の位の数を足した合計)ー(偶数の位の数を足した合計)=11の倍数

すると、ノートBを10冊買った時、3805円からの残高、つまりノートA、C、Dの後継金額が、1595円のときのみ、残高が11の倍数になります。
(5+5-9-1=0 で11の倍数)
したがって、ノートBは、10冊購入していることになります。

あともう少し

さて、ノートBを10冊購入したということがわかり、その残高の1595円でノートA、ノートC、ノートDを購入していることになります。


とりあえず、1595円は11の倍数ということになるので、11で割ってみると
1595÷11=145とでてきます。


A: 231=11×21
B: 221=11×20.09
C: 176=11×16
D: 154=11×14


以上の結果から
ここで、ノートAの購入冊数をa、ノートCの購入冊数をc、ノートDの購入冊数をdとすると


21a+16c+14d=145


ということが言えます。


式が一つで未知数がa、c、dと3つあるので普通の方程式では答えが出せませんが、a、c、dはノートの購入冊数ですので、全て整数となり、そうすると話は違ってきます。


とりあえず、数が一番大きいaが、検証するケースを一番少なくできるので、aに注目して、145-21aの表を作ってみます。
145-21aを、16cと14dで分ければいいのです。


21a 145-21a
1 21 124
2 42 103
3 63 82
4 84 61
5 105 40
6 126 19


これであとは残ったcとdを検討します。

16c 14d 16c+14d
1 16 14 124
2 32 28 103
3 48 42 82
4 64 56 61
5 80 70 40
6 96 84 19
7 112 98
8 128 112
9 144 126


数が小さいほうからのほうが検討しやすいので検討していきます。
表より、9ケースほど検討すればいいことがわかります。


まずは、cとdが整数であれば、16cも14dも偶数となり、当然16c+14dもなるので、16c+14dが19、61、103になるケースはあり得ないことがすぐにわかります。


つまり16c+14dが40、82、124の3ケースだけ検討すればよいのです。


16c+14dが40の時、一の位の0に注目します。
すると16cが16のとき、14dの一の位は4になるので、一の位が4のところだけ見ていくと84がありましたが、16+84=100となり、40ではありません。
16cが32の時も違います。


16c+14dが82の時、16cが16だと一の位が6を探していきますが、16+56=72で82にはなりません。


16cが32だと一の位が0を探しますが、32+70=102で違います。


16cが48だと一の位が4を探しますが、48+14=62でこれも違います。


16cが64だと一の位が8を探しますが、64+28=92でこれも違います。


16cが80の場合は、2でないと合計が82にならないのでこれも違います。


なので
16c+14dが124の時が正解のようです。


同様に検討していくと、16cが96、14dが28のとき、96+28=124になりました。


つまり、ノートCを6冊、ノートDを2冊、ノートAは1冊購入していたことがわかりました。


従って、答えは、
ノートAを1冊、ノートBを10冊、ノートCを6冊、ノートDを2冊の計19冊購入しているという答えになりました。


念のため、検算してみます。


231×1+221×10+176×6+154×2
一の位だけみていくと、1+0+6+8 =15となり、5になり、3805の一の位と一致しているので、どうやらあってそうです。
それでもさらに念のため計算してみると、やはり3805になっているので、これが正解です。